原油価格上昇の理由

【今週の為替相場(FX)の注目ポイント】

バーナンキFRB議長の議会証言、雇用情勢に慎重な見方を示す見通し。米国雇用統計、1月の大雪の影響の反動もあり強い数字でも反応しづらい。ECB定例理事会、インフレ警戒姿勢を強めればユーロ買いへ。豪準備銀行理事会、引き締めバイアスを維持する見通し。NZ準備銀行の利下げ観測、豪ドルへのシフトが加速へ。カナダ中銀理事会、景気に楽観的な姿勢を示す見通し

原油価格上昇の理由

チェニジア発のジャスミン革命が産油国のリビアに及び、国際金融市場に動揺が走っています。エジプトのデモでスエズ運河が通れなくなるのではないかとの恐れから、上昇を始めた原油先物価格は、リビアにまでデモが広がったことで、さらに加速して上昇しました。外国為替市場にも大きな影響を与えそうです。

 

特に、ヨーロッパでの需給のひっ迫が懸念され、通常はアメリカのWTI(West Texas Intermediate) よりも安く取引されている北海ブレントが、1バレルあたりの価格で20USドル近く高くなるまで買われるという事態になりました。
原油image1

 

この原油価格の上昇はどのように、私たちの生活にかかわってくるのでしょうか?まず原油はそのままでは使えません。工場で精製されて、重油やガソリンなどの製品に加工されて使われます。元の原油の成分からの制約や需給関係等を勘案して石油精製会社は最終製品を生産しています。経済産業省の2009年の統計によれば、日本国内での石油製品の生産量は以下の通りです。
http://mpse.jp/tkymail/c.p?12c6n2G1Kuf

 

この中で、最も生産量が多く、我々にとっても身近なものは自動車の燃料に使われているガソリンですね。現在ガソリンには、1リットルあたり48.6円の揮発油税と5.2円の地方揮発油税、計53.8円の税金が課されています。この税金や精製コスト等はほぼ固定と考えられるので、原油の価格が上昇しても、ガソリン価格が同じ比率で上がることは無いようです。

 

1バレルはおよそ160リットルですから、原油1バレルが80USドルとすると、1リットルはおよそ50セント。現在の為替レートでは41円。税金加えて94.8円。その他のコストが30円とするとおよそ125円ということになります。これが1バレル100ドルまで上がると、1リットル62.5セントですから、およそ51円。税金を加えると104.8円。その他のコストが一定ならば、ガソリン価格は10円程度上昇して1リットル135円という計算になりますね。
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また、原油1バレルが100USドルのまま、1USドル=100円まで円安が進んでしまうと、原油1リットルの円建て価格は62.5円、税込みでは116.3円。コストを乗せると販売価格は146円になってしましますね。円安USドル高を見込む向きは、ガソリン価格にも気を付けた方が良いかもしれません。

中東緊迫化での避難通貨は

中東情勢がますます緊迫化してきました。エジプトでデモが勃発し、ムバラク政権が崩れた時点で、一時売り込まれたユーロスイスが買い戻されるなど、市場は意外にも楽観的に捉えていました。
中東の紛争

 

私個人は悲観的すぎかしら??と思いつつも周辺新興国への飛び火とそれに伴う世界経済への悪影響について大きな不安を感じていました。今現在その想いをより一層強くしています。騒動が飛び火した諸国において、すんなりと民主化に進むとは残念ながら思えないのです。中東和平の行く末や米国の動向に対するイスラム教徒の反発などが世界秩序を乱す要因となれば、中東=原油というだけではない世界経済への打撃となるのではないでしょうか。

 

こうした中東の動きから為替市場では、再び極端な円高になることを予想する個人投資家が増えているようです。「リビアや中東情勢への懸念からのリスク回避的な円買い」こうしたニュースを目にすることが多いですね。でも本当にリスク回避で積極的に円を買っているのでしょうか?

 

円はここしばらくの間、市場においての「主役」にはなっていません。政治問題や日本国債の格下げなど、他通貨では売買の要因となるようなニュースがあっても、市場での反応は薄く、メインのドル円でも他のクロス円においてもペアの相手通貨が市場においてどう評価されているのか、という結果の売買対象でしかなくなってしまっていると言えます。ドル円、ユーロ円においての「円高」はドルやユーロが売られたことの相手通貨として消極的選択の結果です。クロス円については世界の取引高から考えてもドル円につられているにすぎないと言えるでしょう。

 

ニュースでは「円相場」という言い方をしますが、世界の為替市場参加者の内、日本人以外はそういう見方はしません。残念ですが円を中心に相場を見ることはしない方が得策です。

 

今回本当の意味で「リスク回避」として選ばれていたのは、スイスフランと言えるでしょう。スイスフランはユーロスイスを中心にドルスイスにおいても高値をつけています。過去「有事」と言えば「米ドル買い」でしたが、米国同時多発テロ以降、米国そのものが「有事」の当事国となっており、安全資産といえば伝統的にも「スイスフラン」となっています。今回もイスラエルの後ろにいる米国は中東問題とはいえ、当事者の一国として見られているようですね。

 

ここにきて早くもユーロスイスやドルスイスの買い戻し推奨を出している外資系金融機関があるようですが、一時的な利食いはともかく、情勢からみるとまだまだ不安定ですので、引き続きスイス買いはあるかと思います。

 

ただ、スイスフランはご承知の通り、金利が非常に低く「安全」を除くと保有通貨としての魅力は薄いです。ペア通貨として金利の高い通貨を選んでしまうとスイス買いの結果、スワップをコストとして払うことになりますので十分に注意してくださいね。

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